吾輩の独り言

X太のサッカー生活を支える吾輩。
憂鬱なぼやきを並べ連ねる。

特殊論

一般論を完璧にして70点を狙うか。

一般論の一部分を置き換えて100点を狙うのか。


今日は、この問題に迫る。


置き換える部分を特殊論と呼ぶ。

特殊論とは個性の拡張であり

他人と違う部分を形成する手段。


例えば算数。

一般論では算数は計算力がモノを言う。

同じ計算でも人より5倍早く解ければ、

有利であることは明らか。


しかし、

計算力が高いとどんな問題でも

正攻法で問いてしまう。


1〜10までの数を足す場合。

計算力があれば順に足してアッと言う間に答えを出してしまう。


計算力が無ければ簡単に解く方法を探す。

1と10、2と9、3と8、4と7、5と6

足すと全て11。

11が5個たから。。

みたいな事を考え出す。


この考える過程を意図的に増やすには、

ある程度計算力を落とす必要がある。


単純な問いであれば計算力が有利だが、

難易度が増せば楽な解法を探す力が有利になる。


しかし、

計算力を捨て、

楽な解き方を探す力をつける。

そんな教育方針に

国が舵を切ることは多分ない。


ここで

楽な解法を見つける力を付けようとする学習が特殊論になる。

両者をマスターするのが最適だが、

不思議と人は得意なものへ走る。

やるなら自己責任となる。


楽な解法を見つけたところで、

最後には計算力が必要なので

特殊論にはリスクがつきまとう。



サッカーでも似たような話しはある。

リスクを背負い特殊論を採用している人は結構いる。

X太も、その一人だ。


一般論はチームやスクールで学び、

特殊論は吾輩が担当している。


チームやスクールでは、不特定多数の選手を相手にトレーニングをするため特殊論を指導することはまずない。


全体的な方針が特殊なチームがあったりはするが、細部にわたって、特殊論を指導しているチームは見た事がない。


恐らくクレームになったり、

悪評が立つからだと思う。


と言うのも

特殊論にはデメリットが多い。

一般論がないがしろになる。

目的が狭いため潰しが利かない。

一般に悪いとされるプレーをする。


メリットは、

上手くいけば圧倒的な個性を生む。


一般論のメリットは、

目的が広いために潰しがきく。

デメリットは、

似たような人が沢山いて差別化出来ない。


特定の選手像を目指す意思が固く

一般論にも取り組む意思があり

大きなリスクを背負っても、

夢をみたい子にのために特殊論はある。


特殊論の習得には時間がかかるし、

一般論を練習する時間も確保しなければならない。


X太のように気分で練習不足になるような子には向かなかったのかもしれない。


一例を挙げる。

X太にはノーモーション。

これをすすめてきた。


特殊論なので、

多くのサッカー選手にはすすめない。

真似する場合には自己責任でお願いしたい。


ノーモーションとは、

踏み込まずに蹴る蹴り方。

当然威力は小さい。


一般論に忠実に従うと

蹴る方向に爪先を向けて、

ボールの横へ強く踏み込む。


キーパーやディフェンスからすると、

蹴るタイミングと方向を

事前に教えてくれる蹴り方になる。


一方でノーモーションは、

タイミングと方向を悟らせない。

そこに主眼を置き、命を賭ける。


目的は限定的だ。

ペナルティエリア内でのシュート。

しかも、GKとDFとで2対1か1対1ぐらいの状況に限られる。


ちなみにX太は、

一般論も、ノーモーションも、

それほど上手く蹴れない。


その理由は、

複数の蹴り方を整理出来ないでいるからだ。


こんな時、

まずは一般論からいくのか。

特殊論の追求を優先するのか。

この判断は自己責任となる。


特殊論が絶対に必要かと言えば、

そんなことはない。

練習時間の確保や、強い意思が本人にないならやめた方がよい。

その両方があっても失敗に終わるリスクは大きい。


それでも特殊論に取り組みたいのであれば、何をするのかを決める必要がある。

特殊論を取る選手が100人いたら

100種類の特殊論がある。


選手のタイプ、性格、

身体能力、個性から、

目指すべき選手像を設定する。

これが何より重要だ。


自分とかけ離れたものを追いかけても

厳しい結末しか待ってはいない。


選手像が決まったら

取るべき特殊論が絞り込まれる。

目的を限定して逆算するのだ。


特殊論を選択したいなら、

己を知るしかない。

自身の個性の中に、

選択すべき特殊論の鍵がある。


選手の個性と相まって、

糞プレーに命を吹き込み神業とする。

それが特殊論の真髄だと思う。

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