吾輩の独り言

X太のサッカー生活を支える吾輩。
憂鬱なぼやきを並べ連ねる。

エピソードⅤ 毒キノコ

再び昔話。



1年生になると、
ジュエリーのパパを
新たなコーチとして向かえた。

仮称ワッキーとしよう。


ワッキーは、精神論を叩き込むコーチで、
X太に足りない部分を成長させてくれた。

色々あったが、それには深く感謝をしている。


結局、勝敗は心で決まる。
字づらではなく、実体験として
X太も吾輩もそれを強く教わった気がする。


試合数も激増した。

上手いコは、例外なく実戦経験が多い。

お陰さまで悪夢の3連戦でみられたような、
動けない病も完治したかにみえた。


順風に見えていたのだが、
1年生の1月に右脚の付け根に

激しい痛みを訴えた。


気にはなったが、

2、3日練習を休ませているうちに
段々痛みがおさまってきたと言うこともあって、

あまり問題視はしなかった。

その週末の試合では、

X太のパフォーマンスは良かったのだ。


異変が襲ってきたのは、
それから数週間後のことだった。


2月の中旬ころから、

1年生を締めくくる試合が、

ポツポツと開催された。


X太は、たった数週間前と、

別人のようになってしまった。

悪夢の三連戦の再来だった。


どんな選手にも波はある。
しかし、この落ち込みは、

波の域を超えていた。
実力が低下し始めたとしか思えなかった。



吾輩の脳裏には時差説が浮かぶ。


X太の通うスクールでは、
スキルテストを年に二回やる。


その点数は、全学年公開される。
そのデータを見て言える事が一つある。
2年3年、3年4年、の学年差は激しいが、
4年5年、5年6年の学年差は僅差と言うこと。
母数200名程度のデータに過ぎないが

重い数字でもある。


この数字に意味を持たせるならば、
2年、3年は伸びざかりであり、
4年になると成長は鈍化することになる。


一般論で言われている、
ゴールデンエイジとは、
正反対と言えるかもしれない。


吾輩は根拠の薄い一般論よりも、
目の前の統計データを信じるタイプだ。


2年と3年のどこかに、
成長のピークがあると仮定した場合、
早生まれと遅生まれでは

ピークに時差が生じるはずだ。


ピークに時差があるなら開始点にも
時差があると言う仮説が成り立つ。


X太は早生まれであるため。
この成長期の開始時差によって
遅生まれ組に引き離され始めたのではないか。
そう考えるようになった。


今、思えばでっち上げの説なのだが。


当時のX太は、今とは違い、
苦しい練習に必死に取り組んでいた。
にも関わらず、これ程までに落ちるとは、
仮説でも立てて、納得するしかなかったのだ。



ところで、最近のX太は、

あの頃とは変わってしまった。

最近の不調の原因は、

紛れもなく、練習不足が原因だ。


強制執行の話だが、
あまり実現していない。
たま〜に実現して、グランドに来ても。。


すぐに足を止める。
ねぇ。父ちゃん。

この辺、犬の糞だらけ。ここイヤだ。


パッと見、犬の糞などどこにも無い。
じゃー。こっちでやれっ。


すると、またすぐに足を止めて。
ねぇ。父ちゃん。

この辺毛虫の死骸だらけで、ここイヤだ。


パッと見、毛虫もいない。
ううんっ。
なんだお前は、じゃーこっちでやれっ。


またまた、すぐに足を止めて。
ねぇ。父ちゃん。

この辺、毒キノコがいっぱいある。


ええええっいっ!
いい加減にせぇー。
キノコなんてどこにも無いだろっ!

駄目だこりゃ。


まぁ。こんな具合に、
親子でコントをしている。


X太は、日々お笑いのセンスを

磨いているようだ。


なるべくして3軍になった。

それだけは、ハッキリしている。


レベルの高い選手ほど努力しているのが、この世界。

小学生が背負うには厳しい世界だ。


巻き返せないなら、

ここで終わるしかない。

責任はX太自身でとる以外にない。

×

非ログインユーザーとして返信する