アトピーには、外遊びが良いと言う。

そんな情報を得て、

2歳の頃からキャンプやサッカーをするのが

我が家では日常となった。

これは楽しい思い出を築いただけでなく、

X太とサッカーと出会わせる役目を果たしたのかもしれない。

アトピーでなかったら

Ｘ太と2歳からサッカーをして遊んだか分からない。

人生万事塞翁が馬と謂うが、
なるほどと思う。

早くから玉蹴りをしていただけのこともあり、

年中から始めたサッカー教室では存在感を発揮した。

吾輩も時々練習を見に行ったのだが、

我が子ながら才能を感じた。

もっとレベルの高い練習を。
そう思うようになった。
そして、Ｘ太はサッカー選手になりたい。
そう言うようになった。

その頃、
数合わせで2年生の試合に出場した。
記念すべきX太の人生初試合となる。

昔風に言うと、初陣だ。

今思えば、
無謀なチャレンジだった。
ピッチに立つだけでも価値のある行為だが、

吾輩も妻もX太には高いパフォーマンスを求めた。

そう、カエルの子はカエル。
それを忘れていた。
倍近く離れたコと戦える訳がない。

吾輩が同じ立場だったら試合に出場することすら拒んだかもしれん。

Ｘ太は1試合に数回ボールに触れただろうか。

3試合で最大3、4メートルぐらいボールを運んだ。
しかし、プレイは消極的で当時の我々が満足いくものではなかった。

この試合の後、
X太は吾輩と妻から長い小言を聞くことになる。
そして言うようになった。

もう試合には絶対に出ない。

まぁ。親とは勝ってなものだ。
自分のことは棚に上げて、
子どもには高い要求を突きつける。

この親の身勝手さは古今東西にわたって世の常と言える。

吾輩も大昔は被害者だった。
だが、今は間違いなく加害者と言える。
歴史は繰り返すとは良く言ったものだ。
吾輩が大昔に、そうであったように、

子どもの内は我慢する他に道はない。

いずれ、自我に目覚め解き放たれる日まで。
アハッ！

つまるところ
吾輩には、直すつもりもない。